中納 徹 著 究極のドラテク本 レーシングドライビング 00

「Motorsport is no contact sport」

これはイギリスのレーシングスクールの講師や、実戦レース(公式レース、非公式レース問わず)の競技長、走行会の責任者の方などが口を酸っぱくして言う、モータースポーツにおける車両同士の接触はあってはならない事をドライバーに伝える際によく使用するフレーズです。

時には重量が1トン以上もある金属の塊を時速200キロメートル以上で走らせるモータースポーツは、あなた自身の命を簡単に奪う可能性があると同時に、あなた以外の人の命をも奪うかもしれない危険性を併せ持ちます。

使い方を誤れば凶器にもなり得る自動車という乗り物を使って高速域のレーシングドライビングを行う場合、その道具を操縦する生身の人間であるドライバー一人一人のモラルとして、「Motorsport is no contact sport」という意識が有るか無いかが、モータースポーツの究極的な安全性の維持に非常に大きな影響を及ぼすと私も考えます。

本書を読んで頂くだけではモータースポーツの安全性は保たれません。

皆様お一人お一人におかれまして、レーシングドライビングを心からエンジョイされると同時に「Motorsport is no contact sport」という強い意識を持って頂けることを心よりお祈りしています。

モータースポーツで一番大切なこと
01 脳と体の時間差
02 体と車(タイヤ)の距離
03 目から得る情報
04 心と体の葛藤
05 座席ポジション
06 タイヤグリップをイメージ化する
07 荷重移動のイメージ
08 スキッドとは
09 直線で過ごす時間
10 「最速のコーナーリング」と「最速のストレート」
11 コーナーにおけるドライバーの作業
12 バランススロットル