中納 徹 著 究極のドラテク本 レーシングドライビング 09

7対3でどちらを選ぶ?

サーキットを速く走りたいのに、なかなか速く走る方法を教えないドライビングテクニック講座ですみません。。

さて、サーキットごとに個体差がありますが、直線で過ごす時間と距離、コーナーで過ごす時間と距離、一般的にはどれぐらいの比率になるでしょうか。それぞれ前後5%ぐらい誤差はありそうですが、直線が70%、コーナーが30%ぐらいでしょうか?

コーナー番長として、人よりブレーキで突っ込み、旋回スピードをマックスに保ち、ライバルよりも時速1キロ速くコーナーを走る事と、直線番長として、ライバルよりも時速1キロ速い速度でコーナーを脱出して直線区間でずっと時速1キロ速く走る人では、どちらが1周のラップタイムで勝てる可能性が高いでしょう?

おそらく7割の部分で時速1キロ速く走れる後者の方ではないでしょうか。3割の部分でしか時速1キロ速く走れない前者の方が総合的には遅そうなイメージがします。

イギリスにいるレース関係者にこんな話をする方がいます。「元F1チャンピオンのニキ・ラウダはコーナー進入のブレーキングで生涯一度も誰かをオーバーテイクした事が無いらしいよ。でもF1でチャンピオンになったんだ」

本当にラウダがブレーキングで誰かを抜いた事が無いはずはありませんが、この言葉はきっとコーナーの入り口よりも、その出口を如何にして出て行くかが重要なのだという事を意味しているのではと思います。

モータースポーツで一番大切なこと
01 脳と体の時間差
02 体と車(タイヤ)の距離
03 目から得る情報
04 心と体の葛藤
05 座席ポジション
06 タイヤグリップをイメージ化する
07 荷重移動のイメージ
08 スキッドとは
09 直線で過ごす時間
10 「最速のコーナーリング」と「最速のストレート」
11 コーナーにおけるドライバーの作業
12 バランススロットル