正しいシートポジション、ドライビングポジションはドラテク向上の絶対条件

誤ったシートポジションを好むお客様

今回は「シートポジション」「ドライビングポジション」のお話をしたいと思います。

まず、今回このシートポジションのお話をしようとした理由を簡単にご説明させて頂きますと

先週末、シルバーストーンというサーキットで10人ぐらいのクライアントのお相手をしてきたんですが

お仕事の流れ的には、ご挨拶、こんにちはから、わたしがクライアントを乗せてデモ走行。

クライアントが運転席に、私は助手席に乗り、クライアントが走られるという流れだったんですが

10人のうちのお1人が、どうしても手を伸ばしたドライビングポジションを好まれるタイプでした。

つまり体とハンドルが遠い状態をよしとされるタイプの方だったんですね

ドライビングコーチとしては、ドライビングポジションの決定をサポートするのが走行前のお約束、ルーティーンでして、

シートを前に動かそうとする中納 vs シートを後ろに下げようとするクライアントという、プチせめぎ合いとなったんですよね (笑)

このクライアントさんのように、サーキット走行が初めての方や、サーキット走行の経験が浅い方からされますと、

一般道で何気なく、気持ちよく座られているドライビングポジションが心地よかったという事なんですね。

プロコーチからすると、これ(シート位置が誤っている)って、ものすごくもったいない事でして、と言うのも

「そもそもが、ドラテク自体の作業を向上させることに比べると、シート調整はものすごく難易度が低い」

「シート調整自体にはものの1分弱ほどしかかからない」

「それでいて、正しいレーシングドライビング作業がしやすくなる」

ということで、正しいシートポジション、ドライビングポジションって、良いことづくめなんですね。

結果的には、このクライアントさんにはですね、ハンドルが遠い状態のまま一度走って頂き、

二度目の走行で、ハンドルが近い状態の「美味しさ」を味わって頂きました。

そんなこともございましたので、その勢いで、これは日本にもまだまだシートポジションの重要性に気づかれていない、

レーシングドライビングを愛する方が居るに違いないと思い、現場で急いで動画を撮ってきました。

シートポジションが生み出すメリットとデメリット

ではまずは、

ドライビングポジションを正しくすることで得られるメリット、

正しくしないことによるデメリットなどについて少し説明させてください。

正しいシートポジションから得られるメリット

「体のコアが動きにくくなる(より車を感じられる)」

「体のコアの動きをミニマムにしつつハンドルを左右に沢山切れる」

「ペダルを正確に踏めたり、時に強く踏めたり、強く踏み続けられたりする」

など、全てのドライビング作業をより高精度で行うための

絶対的に必要な条件を満たすことが可能になります。

誤ったシートポジションからくるデメリット

基本的には以上のメリットの逆になるんですが

「体のコアがぶれる(車を感じにくくなる)」

「体のコアを崩さずにはハンドルを左右に沢山切れない」

「ペダルを強く踏めなく、正確にも踏みづらい」

そしてダメ押しとして

ハンドルと体の距離が遠く、腕が伸びすぎる場合、腕が疲れますので、

ハンドルを握りすぎ、ハンドルにもたれる、ぶら下がるような格好になり、

本来、車を感じるための軸にすべき、シートと体の接地面も乱れ、

あろうことか、強く握りしめざるを得ない手とハンドルの方を、軸にしてしまうという、

理想的ではない状況に陥ります。

シートポジションの合わせ方の説明動画

シートポジション、ドライビングポジションのまとめ

ビデオの中では申し上げなかったですが、レーシングカーの中には、ペダルボックスごと、つまりペダルを近づけたり、遠ざけたりできるものもありますね。

また、実車でのレーシングドライビングに限らず、レーシングシミュレーターでも全く同じように、ドライビングポジション、シートポジションの調整を大事にすれば、より簡単に、より早く、速くなっていけると思います

ちなみに、わたくし中納は、普段街乗り、一般道で車を運転する際も、サーキットを走るときと全く同じシートポジション、ドライビングポジションをベースに、左右のミラーとルームミラーの調整をより大切に、

ミラーから得られる視界への関心度と重要性への意識を上げる感覚を持って、シートポジションを合わせるようにしています。

ドライビングポジション、シートポジションを正しくとって、今後ともレーシングドライビングスキルを磨いていただければと心より願っております。

では今回のお話は以上になります。